手打ちの蕎麦と機械打ちの蕎麦の違い
蕎麦がいわゆる「 麺 」としての形で登場するのは江戸時代からとされております。
機械などない当時はもちろん「 手打ち 」でした。
明治になると機械式麺機(ロール式)が発明されました。
(佐賀県出身の真崎照郷氏による)
ところが、このロール式麺機は手回し式の為、動かすのに大変労力が必要だったことと、
高額だったことから、中々普及しなかったようです。
昭和に入るとさらに便利なモーター式のものが開発され
ほぼ現在の「 ロール式麺機 」と同じ形になったようです。
さて、本題です (^^*)
「 手打ち 」と「 ロール式の機械打ち 」
単純に考えると、手で打ったか、機械で作ったかの違いだけでしょう~と、
思われるかもしれませんが、それだけではないんです!
「 そば粉 」と「 水 」はまったく同じものです。
一体何が違うの~?? ということになりますが、
「 蕎麦を作るときの水の量 」が決定的に違います。
手打ちで作る場合の水量が1kgあたり 約450ccに対して
機械打ちで作る場合の水量が1kgあたり 約300cc
この水量の「 差 」を埋めるのは・・「 圧力 」なんです。
手打ちの場合は、麺棒を使い、人の力で徐々に伸ばすので、
急激な圧力がかかることはありません。
ですので、粉に多くの水を含ませないと延すことが出来ません。
ロール式の麺機は2つの円柱形のロールの間に麺体を通して延していきます。
機械なので、決められた幅にきちんとプレスします。
– 間違って指でも挟んだ時には・・・・ ^^;; –
機械の力というのは凄く強くパラパラとした粉の状態でも
プレスして、板状にすることができるんです。
その結果、どのような違いが出てくるかといいますと・・
○手打ちの場合の長所
水の量が多いのであっという間に茹で上がります。
更に茹で上がりが水々しく見た目が綺麗です。
割り粉(つなぎ)の使用量にもよりますが、そばらしい食感が味わえます。
○機械打ちの場合の長所
手打ちより水の量が少ない事でそばの劣化が遅くなります。
機械でプレスする事で、きっちりとまとまりますので、
非常に扱い易く、伸びにくいそばに仕上がります。
伸びにくく、切れにくいので、温かいそばで食べるの適しています。
大量生産ができ、作り手の負担が軽減されます。
●手打ちの場合の短所
大変デリケートな為、麺を扱う時には神経を使います。
水分が多いことで美味しく食べられる期間が短くなります。
そばを打つ人の負担が大きい為と、大量生産が出来ない点から価格も割高になります。
●機械打ちの場合の短所
水分が少なくプレスが強くかかっているので、手打ちそばより茹で時間が長くなります。
機械を扱いますので危険が伴います。
機械打ちということで、同じ原料を使ったとしても偽者と思われがちです。
と、大きくは、上にあげたような違いになります。
手打ちそば、機械打ちそばの違いを述べてまいりましたが、
現在は色々な麺機が出ていますので、ほぼ、というより
完璧に手打ちと同レベルのものも作ることができます。
いずれにしても、食べるタイミングや食される方のお好みで
ご満足頂けるそばをお選び頂くのが最良かと思います。