たかが機械・・・されど機械・・・
蕎麦を作る方法としては一般的に二通りあり、
平成になってから、なだれ込むように多くなってきなのが、
手打ちであり、
昭和を代表する作り方がロール麺機により機械打ちです。
最近、富泉で復活計画を実施している出前については、
両方の作り方のミックスで出前に最適な蕎麦をご提供しております。
鉢で練り、機械で伸し、切る。
ここで一般の方が誤解されやすいのが、
手打 = 美味しい
機械 = 不味い
という観点になるのが一般的かと思いますが、
お店でご提供するか、出前でご提供するかでも大きくかわりますが、
まず理解していただきたいのは、
手打ちだから必ず美味しいとか、
機械打ちだから必ず不味いというのは、
素材・作り手の技術・ご提供するタイミングによって、
実際に変わってくるということです。
まずもって、1キロ離れたお客様にお届けするのに、
40秒くらいで茹で上がる手打蕎麦を使ったとしたら、
お召し上がりいただく頃には・・・・
出前で食べて美味しくいただく大切な条件が、
伸びにくい
ということです。
もちろん、蕎麦としての美味しさも
共有させなければならないわけですから、
本当に難しいものです。
私が修行を始めたのは、かれこれ20年以上前になりますが、
ほぼ毎日、蕎麦を作る作業の中で、(機械打ち・手打どちらも)
どうやったら出前で美味しい蕎麦をお届けできるかは
本当に色々と試行錯誤を繰り返しました。
機械で作る過程で麺帯をロールで伸す作業がありますが、
機械の目盛りをほんの1mmずらしただけでも
仕上がりに違いが出てきます。
麺を締め付ければ締め付けるほど丈夫な蕎麦になりますが、
食感が、蕎麦なのか冷麦なのかわからなくなります・・ ^^;
どこまでが蕎麦らしさを残す限界かというところを
充分に把握した上で、粉選び、水加減などを決めなくてはなりません。
また、粉を捏ねる段階でも、機械で混ぜあわせたものと
鉢を使い手で捏ねたものでも違ってきます。
突き詰めていくと、手打蕎麦を作るより遥かに
手間がかかったりします・・・
でも、それでも自分のできうる限り美味しいと思う蕎麦を
出前専門店として、ご提供させていただきたいので、
そのへんは妥協せずに毎日、蕎麦をお作りしてご提供させていただいております。
がんばりまっす!