出前の現在過去未来
そば屋の出前も私が修行をはじめた20年前以上から比べると
だいぶ様子が変わってきました。
修業をはじめた当時は、まだまだ、黙っていてもご注文があった時代で、
お客様も、蕎麦屋・ラーメン屋・寿司屋くらいしか選択肢がほぼなかった時代。
とはいえ、ピザの宅配もはじまっていたような・・
特徴的だったのはシステマチックなことは一切なく
まあ、人と人の繋がりが良くも悪くも濃かったっていうことでしょうか。
当時はバブル期で、出前に行った先でチップ1万円もらったことも 😯
まあ、この頃までがそば屋の出前は最盛期でしょうね。たぶん。
そして、独立した10年後(今から12年くらい前)だと、
バブルもすっかり弾けて、すでに世の中冷え切っていた上に、
宅配業界もだいぶ飽和状態に近くなっていました。
ピザの宅配をはじめ、様々な形の宅配が登場してきた頃です。
いや~、独立するときは、周りの人に散々と言われたものです。
「 もう少し待った方がいいなじゃないの? 」
まあ、結果的に、待っていたらさらに悪化したわけですから、
少しでも早く出して大正解でした。
この頃の特徴的なことといったら、
出前自体がだいぶシステマチックに変わってきたことでしょう。
宅配ピザをはじめ、大手の業界がだいぶ増えたことで、
配達時間や、業務の効率化がすすんで、
あれだけもらったチップも時代の逆風もあり
だいぶ少なくなりました 笑
それから4~5年くらいが、富泉としては一番出前が売れた時期になります。
まわりを見渡すとおおむね、売上減少の時期でしたが、
あの手・この手・奥の手を使って頑張ってた時期です
さて、そして現在はというと、時代はさらに厳しくなり、
そば屋では、出前を捨てて店売りブームだったのが嘘のように、
他の業種では、個人店も含め、出前をやるところが多くなりました。
まあ、それはそうでしょうねえ。
お店の売上が上げにくい時代ですから。
ということで出前については、もう飽和状態マックスに近いですかね~
さて、未来はというと、出前をやるのは
かなりの確率で大手のみになってくると思われます。
現在、店の売上が圧迫して出前に手を出しているところも
10年先は出前をやっていない確率高いでしょうね。やっぱり。
何故に、大手が多くなるかというと理由は様々ですが、
一番の要因は・・・
要因は・・
人材につきます。
個人店では、人も寄り付きにくいですし、
良い環境で仕事をしていただくのが難しいです。
以前に、未来は車で年配の方が宅配をする時代になると言いましたが、
それはそのままですが、個人レベルではかなり厳しいお話です。
そば屋も個人店で出前を運ぶというのは、
10年後、かなり困難で、今は町に数件くらいお届け出来るところがあるとしても、
きっと皆無に近い状態になるかもしれません。
これは、蕎麦屋の世襲の問題にも繋がりますが。
なんとか、蕎麦屋の出前らしさっていうものを
細々とでも残していきたいものですね。