富泉流そばコラム
年越しそばの由来
金運説
金銀細工師は、金箔を延ばすときに金箔の裂け目を防ぐために
そば粉を使ったり、飛び散った金銀の粉を掻き集める時に蕎麦の団子を
使ったところから、そばは、金を集めるという縁起で食べるようになった。
細く長くの形状説
そば切りは、細く長くのびることから、寿命を延ばす、家運を伸ばす
身代を永続きさせたいという縁起かつぎ。
運そば説
鎌倉時代、博多の承天寺で年末を越せない町の人たちに
世直しそば―としてそば餅を振舞ったら、その翌年から町の人たちに
運が向いてきたことから、大晦日に食べる習慣となった。
「 運気そば 」「 福そば 」ともいう。
三稜縁起説
そばの実が三稜(ミカド)なことから帝(ミカド)に通じる
室町時代、関東三長者のひとり、増淵民部が、毎年の大晦日に無事息災を
祝って「世の中にめでたいものは蕎麦の種 花咲きみのりみかどおさまる」と歌い、
家人ともどもそばがきを食べたのがはじまり。
そばは切れやすいという形状説
そばは切れやすいということから、
「1年の苦労や厄災をきれいさっぱり断ち切る」
「一年中の借金を断ち切る」どちらも、残さず食べ切らないといけないとか。
『本朝食鑑』に「蕎麦は気を降ろし腸を寛(ゆるく)し、
能(よ)く腸胃の滓穢積滞を錬る」とあるように、
新陳代謝により体内を清浄にして新年を迎えるということから。
捲土重来説
そばは、ひと晩風雨に当たっても、翌日陽がさせばすぐ起き直ります。
それにあやかって、「来年こそは」と捲土重来を期して食べる。